べトナム紀行-No1

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自分の生まれた年に造られた Leica M3 を持って旅に出ようと思った。今年に入ってまともな休みもろくにとらず、気がつけば働き詰めだった。仕事で写真を撮るのではなく、あくまで自分の欲求のためだけに写真を撮るというのも楽しいような気がした。純粋に撮りたいという欲求が、はやる気持ちを駆り立てる。 「さてどこへ行こうか」 イタリアのフィレンツェも悪く無い。シチリア島もよさそうだ。せっかくライカだから生まれ故郷ドイツを巡礼するというのもオツだ。足を伸ばしてアムステルダムやプラハなんかも興味をそそられる。 しかし、ヨーロッパは移動時間の関係で、休みが難しそうだ。もう少し近場を考える。東京から10時間以内で歴史がある国(街)。過去に渡航経験の無い国。先進国は除く・・・。 候補にあがったのは、マカオ、台湾、ヴェトナム、ラオス。消去方法でマカオ、台湾は早々に落選。ヴェトナム、ラオスに的を絞り検討する。
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以前、FMラジオでヴェトナムを紹介する番組をやっていた。毎日5分ほどのベルト枠だったが、想像をかき立てるには十分な番組だった。それまでヴェトナムの印象と言えば、『ヴェトナム戦争』そのものであり、観光地というより『地獄の黙示録』や『フルメタルジャケット』の舞台でしかなかった。 『キリングフィールド』のような屍で覆い尽くされたメコン川を必死に逃げまとう難民。枯葉剤と化学兵器が炸裂する荒涼たる大地。亜熱帯のジャングルに潜むヴェトコン・・・・・ しかし、現実にはドイモイ政策以降、社会主義国にも関わらず目覚ましい経済発展をとげ、99年は10万人前後の日本人入国者も2005年には30万人と急増している。 常に他国からの侵略を受け続けた国ヴェトナム。戦争から30年、どんな国になっているのかとても興味があった。 「よし、ヴェトナムにしよう!」 |
旅に理由なんて必要ない。その場所に行きたいという本能的欲求だ。しかし、人はなぜ旅をするのだろう。まだ見ぬ地にどんな夢を馳せるだろうか・・・。

















